■高血圧の診断
高血圧の診断基準 を教えてください。
- 診察室での血圧値が、収縮期血圧(上の血圧)140mmHg以上、拡張期血圧(下の血圧)90mmHg以上、の両方またはどちらか一方でもあれば高血圧と定義されます。ただし、血圧はたえず動揺しているので、1度だけでなく、2度、3度と受診してもそうであれば高血圧と診断されます。
下の表は日本高血圧学会による 「高血圧治療ガイドライン2009」 に示されている成人における血圧値の分類です。
<成人における血圧値の分類 (mmHg)>
| 分類 |
|
| 至適血圧 |
|
| 正常血圧 |
|
| 正常高値血圧 |
|
| I度高血圧 |
|
| II度高血圧 |
|
| III度高血圧 |
|
| (孤立性)収縮期高血圧 |
|
(日本高血圧学会 「高血圧治療ガイドライン2009」 より)
- 家庭血圧での1週間の平均値が135/85mmHg以上を高血圧の基準値としています。
なお次の設問「家庭血圧の測定」の解答に従って測定した場合です。正常血圧基準は125/80mmHg未満です。
■家庭血圧の測定
私は家庭で血圧を測定していますが、注意点を教えてください。
- 血圧計の種類は現段階では上腕カフ型がお勧めです。
- カフはその中心が心臓の高さになるように巻きます。(もし手首型血圧計使用の場合でも、手首を心臓の高さに置きます)
- 測定は、1日1回の場合には朝、起床後1時間以内、排尿後(朝食と降圧薬内服の前)、座位で1~2分の安静後に測定します。できれば夜もう1回就寝前に1~2分の安静後に測定してください。
- 測定値は、一般に1回目が高く、2・3回は低くなります。3回以上測る必要はありません。いずれにせよ測定値は全て記録してください。高血圧協会では1回目の測定値の記録を元にして、その平均値を評価したいと考えています。
- 測定頻度は、降圧薬内服期間中、なるべく毎日測定してください。正常血圧の方は週1回決めた曜日に測定すると長続きします。家庭での血圧測定は習慣化して長期間続け、測定値を全て記録しておいてください。(私の健康血圧手帳を希望者に配布予定です)
- 家庭血圧値を判定するには、まず1週間(または1ヶ月)の平均値を求めてください。その血圧値の上/下の両方、または片方でも135/85mmHg以上なら、確実な高血圧で、降圧療法が必要です。125/80mmHg未満が理想的です。
■早朝高血圧
私は高血圧で降圧薬を朝食後に内服しています。そして1日2回家庭で血圧を測定していますが、普通夜の血圧は低く、朝の血圧がほとんどの場合140mmHg以上です。ぐっすり眠って目覚めた時には血圧は低くなると思うのですが。
- 朝目覚める前に1日の活動の準備のため交感神経系が活発に活動を開始します。睡眠中自然に下がっていた血圧が急激に上昇して高血圧域に入る場合や、高血圧が長く続いたために睡眠中もあまり血圧が下がらず、朝さらに血圧が上昇し高血圧域に入る場合を 早朝高血圧 といいます。
- どちらの早朝高血圧も、脳卒中や心筋梗塞の危険性が3倍ぐらい高いといわれています。
- あなたの場合は、降圧薬を内服していても薬の効果が切れるために早朝高血圧といわれる状態です。この場合降圧薬の内服方法を変更したり、降圧薬を増量するかあるいは降圧薬の種類を変更することで、早朝高血圧を防ぐことが可能です。
■白衣高血圧
あなたは 白衣高血圧 ですから今のところはそう心配する必要はありませんと医師に言われました。放置しておいてよいのでしょうか。また白衣高血圧とはどのような高血圧でしょうか。
- 医師は普通白衣を着けて診察します。診察室で医師によって測定された時のみ高血圧の場合を白衣高血圧といいます。
- 病院によっては待合室に自動血圧計が置いてありまして、呼ばれる前に測定した血圧は高血圧でないのに、医師の前に座ったとたんに高血圧になる場合などは典型的な白衣高血圧です。患者さんによっては病院の玄関を入ったとたんに高血圧になる人もいます。
- 今は白衣高血圧であっても将来高血圧になる場合もありますし、血管や心臓などに高血圧によると思われる軽度の障害が検査で認められる場合もありますので、半年あるいは1年毎の定期的な診察は必要です。さらに、定期的に自分でも家庭血圧を測定し、血圧が上昇してこないかをチェックしておくことが大切です。家庭血圧の平均が135/85mmHg両方、あるいはどちらか一方を常に超えるようになれば、治療が必要となります。
■仮面高血圧
仮面高血圧 という言葉を聞いたことがあります。どのような高血圧でしょうか。
- 白衣高血圧とは逆の高血圧を仮面高血圧といいます。診察室の測定では高血圧でなく職場や家庭での測定値が高血圧の場合、高血圧が隠されているので仮面をかぶっているという意味で仮面高血圧といいます。
- 降圧薬を内服していて診察室では高血圧でなくても夜や朝には薬の効果が消えて高血圧である場合があります。ある研究者達によれば、降圧薬内服中の患者さんの10-30%は仮面高血圧であると報告されています。
- そして、仮面高血圧の患者さんは血圧が良好にコントロールされている患者さんに比較して、約3倍脳卒中や心筋梗塞などが発症しています。
- 仮面高血圧を見つけるには、家庭や職場で自分で血圧を測定することが必要でしょう。