高血圧コラム

高血圧のよもやま話

「突然死」は本当に突然か? その1 「ピンピンコロリ」とは何かを識る

国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門 不整脈科
医師
中須賀 公亮
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1. 突然死の実情

「どうせ死ぬなら苦しまずにコロッと逝きたい」
そんな声をよく耳にします。
「ピンピンコロリ」、略して「PPK」という言葉まであるほど、突然死は理想の最期として語られることがあります。
しかし、「突然」というぐらいですから、実際に突然亡くなられた方々はそのつもりでなかったはずです。

まだやりたいことがあった。
友人と旅行にいく予定があった。
家族との約束があった。
明日も会社に行くはずだった。

どんな突然死でも、とくにそれが働き盛りの方や若い方に起これば、あまりに理不尽な別れです。
残されたご家族は、心の準備もないまま大切な人を失い、深い悲しみを抱えることになります。

日本では年間およそ6~8万人が心臓突然死で亡くなっていると推定されています。
これは交通事故死の30倍以上にあたる数字です。
決してまれな出来事ではありません。
突然死はそんなに多いのかと感じた方がいらっしゃったら、こうした事実に、これまで触れる機会が少なかったのかもしれません。
交通事故は社会的関心がありますが、突然死は言葉こそインパクトありますが、その実情は認知されていないことが多いです。 

2. 突然死とは

では「突然死」とは何でしょうか。
それは、昨日まで普段どおりに過ごしていた方が、突然倒れ、短時間のうちに命を落としてしまうことを指します。
一般的には、急に症状があらわれてから24時間以内、多くは1時間以内、に亡くなり、その原因は主に心臓であると“推定”されているので「心臓突然死」と呼ばれることもあります。

「健康診断で異常なしだったから大丈夫」「自分には関係ない」そう思われるかもしれません。
しかし突然死は、普段元気な方にも起こりえます。
前触れが全くないまま起こることも決してめずらしくありません。

では、突然死は本当に「突然」やってくるのでしょうか?
「心臓」が原因なのでしょうか?

次回は、私がサンフランシスコで取り組んだ地域全体の突然死研究から、突然死の原因疾患についてお話しします。
高血圧も関与していそうなことがみえてきました。