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あなたの塩分をチェック!!-その1-

1. 食塩摂取の理想と現実
厚生労働省による日本人の摂取基準(2025年版)では、日本人の食塩摂取目標を男性1日7.5g未満、女性で6.5g未満としていますが、2023年の国民健康・栄養調査による食塩摂取量は男性10.7g、女性9.1gと目標より3g程度上回っています。
2. 自分の食塩摂取量を知ることが減塩生活の始まり
高血圧の方の多くは減塩が大切だと理解しておられますが、私たちが問診で「減塩を気にしている」と答えた方と「あまり気にしていない」と答えた方について、尿から食塩摂取量を測って比較してみるとほとんど差がないことがわかりました。私たちは様々な食品や調味料から食塩を摂っているので、「薄味にしている」、「漬物や梅干しは控えている」などの行動は必ずしも1日の食塩摂取量を減らすことにつながっていないのです。薄味でもたくさん食べれば減塩になりません。日本高血圧学会では高血圧の方の減塩目標を1日6g未満としていますが、そもそも自分がどれ位食塩を摂っているのかわからないのに「6gを目指してください」と言われてもどうしていいかわかりません。まずは、自分の食塩摂取量を知ることが減塩生活の始まりとなります。
3. 食塩の入口調査と出口調査
食塩摂取量を評価する方法には、食べた物に含まれる食塩を調べる「入口調査」と尿から排泄された食塩(ナトリウム)を調べる「出口調査」があります。尿中の食塩を測定するためには、病院を受診した時あるいは健診で尿を取って調べてもらう必要があります。自宅で取った尿を郵送して測定してくれる「減塩検定シオチェック」もありますが、もっと簡単に誰でも評価できる方法が必要です。
尿を取らなくても分かる入口調査では、食事内容を詳細に調査して栄養士さんに計算してもらう方法などがありますが、自分自身で簡単にできるツールが欲しいと思って作ったのが「塩分チェックシート」です。
次回は、「塩分チェックシートはどのような考え方で作ったのか」や苦労したことについて紹介します。