高血圧コラム

高血圧のよもやま話

塩と血圧 第1回 「塩、血圧、そして私たちのくらし〜塩ってどんなもの?〜」

八田内科医院
院長
八田 告
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1. 塩の役割とは

日本人の食卓に欠かせない「塩」。皆さんは塩がどんな役割を持つものか知っていますか?
塩の主成分であるナトリウムは、私たちの体にとって非常に大切なミネラルの一つです。
体の水分バランスを調整し、神経や筋肉の働きを助ける役割があります。
昔の人は暑い季節や労働で大量に汗をかき、それと一緒に塩分も失うため、体に塩を補うことは生きるうえで必要不可欠でした。

2. 現代の日本人と塩

しかし現代の食環境では、塩はつい取り過ぎになりやすくなっています。
日本人は味噌汁や醤油、漬物など、伝統的に塩分濃度が高い調味料や食品を日常的に口にし、その結果、1日あたりの塩分摂取量は推奨される6g未満を超えていることが多いのです。
世界的に見ても日本人の塩分摂取量は高めで、高血圧の主要因の一つとされています。

3. 塩との上手な付き合い方

だからといって、「塩は完全に悪者!」というわけではありません。
塩は私たちの健康と生活に欠かせないものであり、味を深めるためにも使い方次第で楽しめるものです。
大事なのは「塩をうまく使いながら、上手に調節していくこと」。これが健康な血圧の維持に大きく関わっています。
次回は「塩のとり過ぎがどうして血圧を上げるのか」というテーマで、体の中で起きていることをわかりやすく解説します。
毎日の食事にちょっとした工夫を取り入れ、塩とうまく付き合っていく方法を一緒に学んでいきましょう。