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患者さんに寄り添う血圧管理 その2 「どこも悪くないのに、『高血圧』と言われても・・・」

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1. 「どこも悪くないのに、『高血圧』と言われても・・・」
病気でも、明らかな自覚症状のあるものとそうでないものがあります。症状という、相手が見えやすいものとそうでないものがあります。はっきり目の見えるものは、戦いやすいものなのですが・・・。
例えば、「痛いとか苦しいとか・・・」。将来、心筋梗塞や脳卒中にならないようにと言っても、なかなか理解することは難しいものです。
それにもまして、仕事をしていて、今の生活のパターンを変えることなど、なかなか出来ないことです。
「他の人と比べて、そんなに悪い生活習慣を送っていないのに・・・」
「他の人の方がどうかと思うような生活習慣をしているのに・・・・」
「生活習慣病って言われるのが嫌だ」
確かにその通りでと思います。
「何故わたしが・・・」という意識は、治療にとって最大の敵と考えます。怒りと不満が、治療の邪魔をします。
今を続けることが大切です。今を続けて、少しでも将来が暗くならないようにすることが大事です。高血圧をはじめとする生活習慣病は「密やかに」「目立たないように」「わかりにくいように」進行するものです。ですから、それを知っているお医者さんはは少しでも先手を打った治療を望みます。でも、ついつい先走りすぎて、患者さん本人の意識を追い越してしまうものです。お医者さんは心配性です。それをよく知っていただきたいのです。
薬を使って、さまざまな検査値を良くすることの意味は、合併症などの進行を抑えることにあることは当然のこととお医者さんは考えますが、患者さん本人にとって十分に理解することは難しいものです。
自己管理や改善などの実践は、簡単なことではありません、無理だというところから始まって、感情をどのようにどの方向にもっていくのかをゆっくり一緒に考えていくことが肝心でしょう。
「家庭血圧を測ることは、高血圧という相手を自らの目で見る第一歩ですよ」という言葉を覚えてください。