高血圧コラム

高血圧のよもやま話

あなたの塩分をチェック!!その2

製鉄記念八幡病院
顧問
土橋 卓也
あなたの塩分をチェック!!その2 イメージ画像

1. 「塩分チェックシート」で何がわかる?

あなたの塩分をチェック!!-その1-では、塩分チェックシートを作った経緯についてお話ししました。今回は、このチェックシートで何がわかるのかについて紹介します。

塩分チェックシート(内容については、前回のコラムで紹介しています)は、高塩分食品の摂取頻度7項目、食行動4項目、食意識2項目、合計13項目で構成されています。それぞれの項目で0~2(または3)点の評価を行い、合計で35点満点です。便宜上、0~8点:食塩はあまりとっていない、9~13点:摂取量は平均的、14~19点:摂取量は多め、20点以上:摂取量はかなり多いと評価していますが、あくまでも目安であり、厳密なものではありません。例えば、毎日、自宅で食事を作る方は、味噌汁、漬け物、梅干しなど日常的に食べている高塩分食品のチェックが重要です。一方、自宅外で食事をすることが多い方は、うどん、ラーメンなどを食べる頻度や汁を全部飲むかどうか、弁当や惣菜の食塩量を確認しているか、などがポイントになります。また、薄味にしていても食べる量が多いと食塩摂取量は多くなりますので食事量も重要です。つまり、同じ12点でも自宅で食べる食品や調理の仕方、調味料の使い方などが課題の方と外食や弁当、総菜の選び方に問題がある方では、減塩の仕方が異なります。また、「梅干しや漬け物は食べない」、「麺類の汁は残す」など一部の取り組みだけでは、必ずしも減塩が出来ているとは限りません。

 このチェックシートの作成にあたっては、高塩分食品をどのように分類し、食品の例として何を記載するかという点で苦労しました。代表的食品として記載したある加工食品の業界からご批判を頂いたりもしましたが、1食分の食塩量は必ずしも多くなくても日常的に食べることが多い食品については、減塩のために摂取量や摂取頻度を意識する必要があることを説明させて頂きました。また、食塩摂取源となる食品には地域性もあるため、一部の表現を変更したチェックシートも作成しています。例えば、沖縄県の宮古島では、「魚汁、かちゅー湯、油みそ、マース煮、ポーク缶」など地域独特の食材や料理も記載されています。

 皆さんも是非、このチェックシートで自身の食塩摂取量を確認してみて下さい。次回は、「塩分チェックシートの結果から何が出来るか考えよう!」についてお話しします。