高血圧コラム

高血圧のよもやま話

患者さんに寄り添う血圧管理 その3 高血圧治療は「アリとキリギリス」

宮川内科小児科医院
院長
宮川 政昭
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1. 高血圧治療は「アリとキリギリス」

診察室の中では、時々これに似たような話があるものです。
「先生、これってアリとキリギリスだねえ・・・・」「わかっちゃいるが、これってなかなか難しいねぇ・・・」と、患者さんとお医者さんの会話が続きます。

患者さんにとって、今の楽しみか、将来の楽しみか・・・。イソップ寓話のようですね。キリギリスのように将来の危機への備えを怠ると、その将来である合併症が訪れた時に非常に困ることになるので、お医者さんは患者さんにそのような説明したがるものだと、私自身も思います。

ところがそのようなときに限って、「全然平気なやつがいるんだよ。理不尽だよなぁ」とか、「そんなこと言ったって、将来必ずなる訳じゃないですよねぇ」と、言い訳や泣きのセリフを皆さんは頭の中に思い浮かべることはありませんか。そしてさらに、「アリのように将来の危機の事を常に考え、せっせと準備して節制したって、がんで具合が悪くなるやつもいるものねぇ」ともっともっと言いたいことが出てくるものですね。

長寿がそのまま幸福かというと、その根本たるところは、人間の生き方そのものに関する大きな問題をはらんでいるので軽々しく結論を導き出すことはできませんね。

QOL(Quality of Lifeは、「生活の質」や「生命の質」と訳され、人がどれだけ人間らしく、自分らしく生活し、人生に幸福を見出しているかを測る概念)という言葉のみでは説明しきれません。「将来苦しいことばかりになってしまいますよ」などという、陳腐な脅し文句だけは、お医者さんも避けたいと思っているのですが、現実はなかなか思い通りにはならない悩ましい問題です。

さて皆さんは、将来訪れるであろう、脳・心臓・腎臓などの合併症への対策をどのように考えていけばよいのでしょうか。そのためには、自分のいる現在地を知ることが重要です。

現在地を知る一番の方法が、家庭での血圧測定になります。ぜひお試しください。